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定年退官の千葉勝美最高裁判事の後任に菅野博之大阪高裁長官

司法 裁判所 裁判所人事

NHK最高裁判事に菅野博之氏起用へ」(7/26)

 7月26日、政府は今月24日で定年退官となる千葉勝美最高裁判事(裁判官出身)の後任として、菅野博之阪高裁長官を決定しました。菅野氏は1952年7月3日生まれの64歳。東北大学卒業後、1978年に司法修習生となり、1980年に東京地裁判事補として任官。司法修習32期。最高裁行政局付、最高裁調査官、東京地裁部総括判事、水戸地裁所長、東京高裁部総括判事を経て、昨年2月からは大阪高裁長官を務めています*1

 西川伸一先生のご研究で示されている裁判官出身者の最高裁判事へのルートに照らし合わせると、菅野長官は行政局付や最高裁調査官を経験し、水戸地裁所長を務めてはいるものの、最高裁事務総長、司法研修所長、最高裁首席調査官、法務省民事局長という「要職4ポスト」をいずれも経験していません。この4ポストを経ずに最高裁判事に就任した例は少ないですが、最近では昨年退官した白木勇氏、そして現職の小池裕判事がそれに当たります(ともに水戸地裁所長、東京高裁部総括判事、東京地裁所長、東京高裁長官を経て、最高裁判事。白木氏は東京地裁所長と東京高裁長官の間に広島高裁長官を挟んでいます)。西川先生のご著書では、白木氏は「事務総長ルート」の事務総長以外の要件はすべて満たしているので「準本線」と位置づけられています*2。小池判事も同様に考えることができるでしょう。一方、菅野長官の場合、上記4ポストを務めたこともなく、また事務総局の局長に就いたこともありません。

 なお、後任の大阪高裁長官には井上弘通東京高裁部総括判事の任命が決定されています*3

*1:詳しくはe-hokiのデータベースを参照。

*2:西川伸一『裁判官幹部人事の研究—「経歴的資源」を手がかりとして』五月書房、2010年、p. 37-39。

*3:時事通信大阪高裁長官に井上氏=最高裁」(2016/8/2更新、2016/8/2確認)。