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金田勝年新法務大臣 就任記者会見

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 8月3日、内閣改造が行われ、先日の参議院選挙で落選した岩城光英法務大臣に代わり、金田勝年衆議院議員(秋田2区、当選衆3回・参2回)が新たに法務大臣に就任しました。今回が初入閣となります。

 金田新法務大臣は1949年10月4日生まれの66歳。1973年に一橋大学経済学部を卒業後、大蔵省に入省し、1993年には主計官に就任しました。記者会見において本人が述べているように、このころに法務省の予算を担当していたようです。1995年、参議院議員に初当選(秋田県選挙区)。2期12年務めた後、2007年参議院選挙で落選するも、2009年衆議院選挙で比例復活当選。以来、2012年、2014年と選挙区で連続当選しています。

 政府や国会、党の役職では、1999年に農林水産政務次官、2001年に自民党厚生労働部会長、2002年に参議院厚生労働委員長、2005年に外務副大臣、2012年に衆議院財務金融委員長と、財務や外交、厚生労働分野などで活動していた経歴がありますが、法務政策領域での目立った活動はなさそうです。法務委員会で質疑に立ったことも、国会会議録を検索した限りでは一度もありません。

 

以下、金田新法務大臣の就任記者会見の文字起こしです。

 このたび法務大臣を拝命いたしました金田勝年と申します。よろしくお願いいたします。法務省は、ご承知のように、民法や刑法をはじめとします基本法制の維持および整備、そして法秩序の維持、国民の権利擁護などの任務を所管しています。これらはいずれも国民生活の安全や安心の基盤となるものであると、大変重い任務であると思っております。その大臣を拝命いたしまして、大変に身の引き締まる思いであります。

 かつて、平成5年から7年にかけまして、政治家になる直前でございましたが、私は公務員をしていました。大蔵省の主計局の主計官という仕事をしておりました。この2年間、法務省全般の予算を担当しておりましたので、法務行政とはそのころから関わりを持ってきておるわけであります。ただいま申し上げました、法務行政が国民生活の安全と安心の基盤としてきわめて重要なものなのだということは、身を以て実感をしておった次第であります。今回、その法務省の責任者である法務大臣を拝命いたしましたのも、こうしたこともご縁があるのかなというふうに思った次第であります。

 今日、総理にお会いしましたときに、法務行政の課題につきましては、総理から4つほどご指示をいただきました。1つは国民に身近で頼りがいのある司法の実現に向けて、司法制度改革を推進してほしい。そして1つには、差別や虐待のない社会の実現を目指して、個別法によりますきめ細かな人権救済を推進していく。1つには、関係大臣と協力して、世界一安全な国日本を作るために、犯罪被害者の支援や刑務所等を出所した方の再犯防止、あるいは社会復帰支援、そういうことに加えて、組織犯罪対策など、社会を明るくするために必要な施策を総合的に推進していく。1つには、我が国の領土・領海・領空の警戒・警備につきまして、関係大臣と緊密に連携をいたしまして、緊張感を持って情報収集を行うとともに、事態に応じまして我が国の法令に基づいて適切に対処をしていく、といった以上4点の指示をいただいたのであります。いずれも、国民生活にとりましては大変に重要な課題であると認識をいたしております。

 前大臣を含め、これまでの歴代大臣もこうした観点で様々な課題にしっかりと取り組んでこられたものと承知をしておりますが、私としましても関係大臣と連携をしながらその職責をしっかりと果たしてまいりたいと考えておる次第であります。どうぞ皆さまもこうしたことをご理解いただいて、ともに身近で頼りがいのある司法の実現、そしてまた明るい社会をつくるための施策、こういったものに全力を注いでいきたい、このように思っておる次第であります。

—— 死刑制度についての大臣のお考えと、死刑執行についてどのようにお考えか(ニコニコ動画)。

 死刑制度の存廃というか、存続廃止という、そういう問題は、我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題である、このように思っております。国民世論に十分配慮しつつ、社会における正義の実現といった様々な観点から慎重に検討しなければならない問題であります。しかしながら、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては死刑を科することもやむをえないと考えておりまして、死刑を廃止することは適当ではないと、このように考えております。

—— 今現在の司法行政の課題と、今後重点的に取り組んでいきたいことは?(秋田魁新報

 先ほど4点申し上げました。この4点をしっかり受け止めて、まずは事務方からの説明ももらいまして、よく整理を行って、そして検討して、自分が特に力を入れていく部分をまたお答えする日があるのを・・・・・・まあ、お願いをしたいなと、このように思っております。

—— テロの脅威が年々高まっているが、かつて法案を提出し廃案になった共謀罪について、どのようにお考えか(共同通信)。

 まあその・・・・・・まあ、その・・・今おっしゃられた質問に対しましては・・・・・・まあ、これまでの審議もあったと思うんですよね。そういうことも踏まえ、また国際社会と協調してですね、テロなどの組織犯罪と闘うことは、非常に重要な課題なんですけれども、その・・・これを進めていくにはやっぱり慎重にですね、そのあり方を検討しながらやっていくという必要もあるんだと思うんですよね。ですから、具体的にはですね、今の状況を申し上げれば、私の考えとしては、今の段階ではまだ・・・未定の思いでございますし、これからいろんなそういうお話を受け止めながらですね、これもしっかり勉強してまいりたいと、このように思っております。

 

=== 追記 ===

 新法務大臣は、前回衆院選の際に運動員買収約束の疑いがかけられたときに証拠隠滅のためパソコンを海に投げ捨てるなど、遵法意識にあふれた方のようです*1。「秋田県民、国民のために全力投球で仕事に取り組んでいく」と意気込んでいます*2

*1:産経新聞選挙違反の証拠PC海にドボン 金田衆院議員の元秘書を略式起訴 秋田・男鹿区検」(2015年4月30日更新、2016年8月4日確認)。

*2:河北新報<改造内閣>金田法相 20年越し待望の入閣」(2016年8月4日更新、2016年8月4日確認)、秋田魁新報『頼りがいある司法に』 金田さん、本県初の法相就任」(2016年8月4日更新、2016年8月4日確認)。