山口厚東大名誉教授、林景一元駐英大使が最高裁判事就任へ

NHK最高裁判事に山口厚氏と林景一氏を起用」(1/13)

 政府は今日の閣議で、1月15日に定年退官する櫻井龍子最高裁判事の後任に山口厚東京大学名誉教授、3月30日に定年退官する大橋正春最高裁判事の後任に林景一元駐英大使を起用する人事を決定しました。これら2つの人事はセットで決められていますので、行政官枠(櫻井氏)の後任に林氏、弁護士枠(大橋氏)の後任に山口氏と考えることができます。

 外交官の経験者が最高裁判事に任命されるのはまったく珍しいことではないので、注目されるのは山口氏の任命です。山口氏は刑法学の研究者で、大層有名な方と思います(素人の私でも名前ぐらいは知っています。ごつい本を手にとったこともあります)。そういう点で資質には疑問はないのかもしれませんが、問題は弁護士枠の後任として任命されたことです。山口氏は弁護士資格を持ってはいるものの、しかし普通は研究者として認知されていると思います。

 そして疑問は、弁護士枠の最高裁判事人事を決める際、日弁連最高裁判所裁判官推薦諮問委員会を通して推薦者のリストを作成し、政府に提示するという手続きをとっているのですが、今回、その手続きがとられたのか、という点にあります。別に疑う確たる証拠がこれといってあるわけではないですが、そのプロセスを通してこの名前が出てくるのかな、と素朴に疑問に思います。そして、仮にそうではないならば、日弁連は政府に抗議をするのか(フォーマルな制度的には日弁連の推薦なしに内閣が決めても問題はないかもしれませんが)、あるいはこれが実質的に弁護士枠の減少を意味するのか、といった点が気になるところです。

 また、櫻井氏が女性(の後任の女性)であることから、個人的には後任に女性が選ばれるかどうか気にしていましたが、結果として今回決定された2名はどちらも男性でした。現時点で言うならば、最高裁から女性が1人減ることになります。

 ちなみに、今回発表されたのはこの2名ですが、大橋氏が退官する前に裁判官出身の大谷剛彦判事が3月9日で定年退官することになります*1。そちらの人事も近々明らかになるのでしょうか。

 

=== 追記 ===