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飲酒運転で捕まる最高裁判事

 裁判官公選制に関する本を読んでいます。よく指摘されているのは、2000年代に入ってその様相が変わったということ。それまで裁判官選挙というのはそれほど注目されるものでもなく、今ほどカネが飛び交うものでもなかったけれども、2000年代以降、裁判官候補者に対する攻撃(ネガティブ広告など)も強くなったとされています。そうした事例の1つとして、2000年のオハイオ州最高裁の選挙における現職のアリス・レズニックに対するキャンペーンが取り上げられていました。たとえばネガティブCMでは、彼女が正義の女神に擬され、目隠しを外して弁護士から差し出された75万ドルを目にし、秤を傾けている姿が描かれていたり、「アリス・レズニック。正義は売り物なのか?」という語りで締めくくられていたりしたようです*1

 そういうCMがあるなら見たいなと思い、Googleで検索してみましたが、残念ながら見当たりませんでした。代わりに、YouTubeで以下のような動画を発見しました。

動画の表示によると、これは2005年1月31日に撮られたもの。警察車両に設置されているカメラの映像でしょうか。ある女性が飲酒運転で捕まっている映像で、この女性がまさにそのアリス・レズニックだというのです。Wikipediaによると、同日、通報を受けた警察が、危険運転をしていた彼女の車両をガソリンスタンドに止めさせ、アルコール検査を求めました。彼女はいったん拒否したものの、検査を行うと州の法律上の基準の約3倍の数値が出たそうです。彼女は自分の権力もちらつかせながら逃れようとしたものの、飲酒運転で有罪となり、3日間の教育プログラムと6ヵ月間の免許停止という処分が下されたとのこと。

 それにしてもこんな動画が出てくるのはすごいですね。インターネットに流出したということらしいですが。オハイオ州最高裁判事の任期は6年で、1989年1月に着任したレズニックは2007年1月に3期目を終えることになっていました。しかし、飲酒運転で捕まったちょうど1年ほど後の2006年1月、4期目の立候補断念の意向を発表し、2007年1月で退任することになったそうです*2

 

 ちなみに「正義は売り物か」「裁判販売中」(Justice for Sale)というフレーズはよく使われているようで、1999年にはPBSの番組Frontlineで"Justice for Sale"というドキュメンタリーが放送されたそうです。こちらも番組制作に携わったビル・モイヤーズ氏の公式のVimeoにアップされていましたので、貼りつけておきます*3

*1:Deborah Goldberg "Interest Group Participation in Judicial Elections," in Matthew J. Streb, ed., Running For Judge: The Rising Political, Financial, and Legal Stakes of Judicial Elections (New York University Press, 2007), p. 78.

*2:Wikipedia "Alice Robie Resnick" (last visited 2017/2/17).

*3:公式ウェブサイトには文字起こしも載っています。BillMoyers.com "Justice for Sale" (last visited 2017/2/17).