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東京高裁長官に深山卓也さいたま地裁所長

NHK東京高裁長官にさいたま地裁所長の深山卓也氏」(2/17)
e-hoki「最高裁人事(2017年3月)

 政府は、先日、3月9日に定年退官となる大谷剛彦最高裁判事の後任として戸倉三郎東京高裁長官を決定しましたが、その後任として、さいたま地裁の深山卓也所長を起用する人事を17日の閣議で決定しました。さらにさいたま地裁所長の後任に山田俊雄東京高裁部総括判事、その後任に畠山稔高松地裁所長、その後任に村上正敏大分地家裁所長、その後任に三浦透横浜地裁部総括判事を決定しています。

 新しく東京高裁長官に就任する深山卓也氏は1954年9月生まれの62歳。法務省勤務経験が長く、法務省大臣官房司法法制部長、民事局長などを経て、一昨年10月に東京高裁部総括判事、昨年2月にさいたま地裁所長に就任していました。キャリア後半の経歴を見れば寺田逸郎最高裁長官ともよく似ています(司法法制部長→民事局長→東京高裁部総括判事→さいたま地裁所長→高裁長官)。ただし、さいたま地裁所長から東京高裁長官への昇進は初だそうです。

 

 ところで、先日の山口厚氏の最高裁判事への起用人事について、弁護士さんの次のような投稿を遅ればせながら目にしました。一部引用します。

 先日、私は、はじめてこの山口氏の任命の経緯を知りました。といっても核心部分はわかりません。

 日弁連理事会報告が昨日の札幌弁護士会常議員会でありました。

 中本日弁連会長からの報告(伝聞)になりますが、概要、次のとおりです。

 日弁連から、弁護士の中から推薦名簿を最高裁判所裁判官推薦諮問委員会に提出したが、その中には山口厚氏は入っていなかった。

 政府からこれまで以上に広く人材を集めたいという意向をを受け、最高裁日弁連提出の推薦名簿以外に山口厚氏ら複数名を加えた。これについて日弁連に対し意向確認等はなかった。

 結果は、日弁連提出の推薦名簿以外の山口厚氏が任命された。

 この「政府から」の「政府」が具体的に誰を指すのか、「最高裁が~加えた」というときの「最高裁」とは具体的には事務総局なのかなどまだまだわからないところがあります。日弁連執行部では「調査中」ということでした。

 最高裁の人事が従来の慣例を破って安倍政権が最高裁人事に直接、介入してきたという疑いが出てきた、しかもかなりそれが濃厚だという問題です*1

おそらくそうだろうとは思っていましたが、日弁連の推薦名簿外から選ばれたこと、また政府の意向を受けて最高裁が追加したということがわかってよかったです。

 さて、安倍政権が最高裁人事に介入したという話ですが、これは実ははじめてのことではありません。テレビでご活躍中の時事通信田崎史郎氏によれば、鬼丸かおる判事の任命のときにも安倍政権は物言いをつけています*2。そういう意味では、特に新しいことではないと言えるかもしれません。そもそも政府が最高裁人事に介入することは、制度的には正当なことです。それは規範的な評価として正しいという意味ではありませんが、そこをまず確認しておかなければ議論が変になる気がしています。 

*1:猪野亨「安倍内閣が最高裁人事に介入か 山口厚最高裁判事」(2017年1月27日更新、2月18日確認)。強調は原文。

*2:田崎史郎『安倍官邸の正体』講談社、2014年、p. 63-64参照。